ダイエットも始めたし、ノンオイルドレッシングにしよ~
待って!油を減らしすぎるとかえって痩せにくく、不健康になってしまいますよ。減らすより、どんな油を選ぶかが大事です!
「油は太る」と思い、避けてはいませんか?
脂質の摂りすぎは体に悪く肥満の原因にもなりますが、実は脂質不足による悪影響のほうが大きく怖いのです。
この記事では脂質について詳しく解説していきます。
この記事でわかること
- 脂質はなぜ必要なの?不足するとどうなる?
- 脂質はどれだけ摂ればいいの?
- 良い脂質と悪い脂質の違いって?
脂質はなぜ必要なの?
細胞やホルモンの材料になる必須の栄養素だから
脂質は細胞やホルモンの材料になっており、不足すると以下の影響のような影響があります。
- 細胞が劣化する
- ホルモンが正常に作られない
- ホルモンバランスの乱れに繋がる
女性ホルモンであるエストロゲン・プロゲステロンの生成にも脂質が必要です。
ホルモンバランスはダイエットとも密接に関係しています。
ホルモンが正常に作られないことでホルモンバランスが乱れると、痩せにくくなってしまうのです。
脂肪の消化を助ける胆汁酸の材料になる
脂質は中性脂肪とコレステロールにわけられ、コレステロール胆汁酸の材料になるという重要な役割があります。
胆汁酸は摂取した脂肪の消化や吸収を助けます。
後述しますが、悪いものだと思われがちなコレステロールにも体内で重要な役割を持っており、なくてはならない栄養素です。
脂溶性ビタミンの吸収を助ける
脂質は脂溶性ビタミンの吸収を助けてくれます!
美容と健康にとって大切なビタミン。
ビタミンには脂溶性と水溶性があり、脂質は脂溶性ビタミンの吸収を助けてくれる優れものです。
主な脂溶性ビタミンはこちら。それぞれに大事な役割や効果がありますね。
- ビタミンA:目や皮膚の粘膜を健康に保ち、抵抗力を強める
- ビタミンD:カルシウムの吸収を助け、骨の健康を保つ。免疫機能を調整する
- ビタミンE:強い抗酸化作用を持ち、細胞の酸化を防ぐことから老化防止の効果がある。動脈硬化や血栓の予防、血圧の低下、LDL(悪玉)コレステロールの減少にも効果がある
- ビタミンK:血の固まりやすさに関係があり、不足すると出血が止まりにくくなる。骨密度にも関係があり、ビタミンDと合わせることで効果が上がる
これらのビタミンをたくさん摂ることを心がけていても、脂質が足りないと十分な量を体内に取り込むことが出来なくなってしまいます。
折角他の部分でよい食事をしていても、脂質が足りないことが理由で十分な効果を発揮できなくなってしまうのです。
体温の保持・臓器の保護
脂質は皮下脂肪として蓄えられ、体温の保持や内臓を保護するクッションの役割になります。
脂肪というとあまりいいイメージを持たないかもしれませんが、筋肉と同時に脂肪もある程度あったほうが健康的で、かつ女性らしいボディラインを作ることが出来ます。
ボディメイク中も、筋トレで鍛えた筋肉の上にある程度脂肪を付けることで、ハリのあるボディにすることが出来るんですよ!
また、脂肪は体温を保持するという役割もあります。
過度なダイエットで筋肉と脂肪の両方が減ると、冷えに悩まされることがあります。
女性に多い冷え性ですが、体温は健康に関係していて、体温が低いほど免疫力も下がってしまうというデメリットがあります。
体温が上がると血液の流れがよくなり免疫力が高まります。
血液は私たちの体を構成する約60兆個もの細胞に栄養と酸素を送り届け、かわりに老廃物を持ち帰る働きをしています。その血液の中に、免疫機能を持った白血球が存在し、その白血球が体の中をめぐることで、体の中の異物をパトロールしているのです。つまり体温が下がると血流が悪くなり、免疫力も低下し、体内に異物を発見しても、素早く駆除してくれる白血球を集めにくくなり、ウイルスや細菌に負けて発病しやすくなってしまいます。
白血球は、これら外界からのウイルスや細菌だけでなく、がん細胞が体の中にできるたびに、免疫細胞が攻撃をして死滅させてくれています。
実は健康な人でもがん細胞は1日に5000個もできています。その1つでも免疫という監視システムをかいくぐって生き残ると、1個が2個、2個が4個、4個が8個と倍々ゲームのように増えていき、やがてはがんに姿をかえてしまうのです。引用:サワイ健康推進課「体温を上げて 免疫力アップ」
このような体の状態になることを防ぐために大切な体温。
体温を保持するためには一定の脂肪が必要であり、その脂肪を必要量維持するためにも脂質はとても重要なのです。
脂質の摂り方って?
脂質を摂り方を理解するには、以下のことを知る必要があります。
- 脂質には種類がある
- 健康によい脂質(油)を知る
- 適切な摂取量を知る
ひとつずつ詳しく解説していくので、先に「毎日どのように油を摂ると良いの?」ということを先に知りたい方は食事への「油」の取り入れ方の項へ飛んでください。
脂質には種類がある
脂質には種類があり、大きく飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2つに分けられます。
飽和脂肪酸 | 不飽和脂肪酸 |
常温で固形のものが多い | 常温で液体 |
肉や乳製品など、動物性の脂に多い | 植物性の脂に多い |
このうち、不飽和脂肪酸はさらに一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けられます。
不飽和脂肪酸 | ||
一価不飽和脂肪酸 (体内で作ることが出来る) | 多価不飽和脂肪酸 (体内で作ることが出来ない) | |
オメガ3系脂肪酸 | オメガ6系脂肪酸 | オメガ9系脂肪酸 |
α-リノレン酸 | リノール酸 | オレイン酸 |
EPA | γ-リノレン酸 | パルミオレイン酸 |
DHA |
飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸 それぞれ多く含まれている食材は?
それぞれの脂質は、以下の食品に多く含まれています。
- 飽和脂肪酸:肉の脂、ココナッツオイル、バターなど
- 不飽和脂肪酸① 一価不飽和脂肪酸:
オリーブオイル、菜種油、大豆油、アーモンド、牛肉 など(オメガ9系脂肪酸) - 不飽和脂肪酸② 多価不飽和脂肪酸:
サバ・イワシなどの青魚、鮭、アマニ油、菜種油、アボカドなど(オメガ3系脂肪酸)
大豆油、ヒマワリの種、くるみ、アーモンド 、卵黄(生)、豚レバー、サバ、ブリ、ウニなど(オメガ6系脂肪酸)
※多価不飽和脂肪酸は体内で合成できない必須脂肪酸(必ず食事から摂取する必要がある)
正しい脂質の摂り方 ガイド
ここからは、実際に何をどれくらい食べればいいのかを解説していきます。
解説内容はコチラ。各項目のリンクから見たい順にチェックすることが可能です。
各脂肪酸にはどんな効果や働きがあるの?
それぞれの脂肪酸にどのような効果や働きがあるかを見ていきましょう。
これらの3つ(4つ)の脂肪酸について順番に解説します。
- 飽和脂肪酸
- 不飽和脂肪酸ー多価不飽和脂肪酸(オメガ3、オメガ6)
- 不飽和脂肪酸ー一価不飽和脂肪酸(オメガ9)
1.飽和脂肪酸
肉や乳製品などの動物性脂肪に多く含まれますが、植物性ではココナッツオイルがあります。
バターや肉の脂などの飽和脂肪酸の多い油は、摂りすぎると肥満の原因になります。
かといって、不足すると貧血を起こしたりすることがあります。
しかし普通の食事をしているぶんには不足することはなく、どちらかというと摂り過ぎに中止する必要がある油です。
2.不飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸は多価不飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸に分けられます。
2-1.多価不飽和脂肪酸
多価不飽和脂肪酸にはオメガ3系脂肪酸とオメガ6系脂肪酸があります。
多価不飽和脂肪酸は体内で作ることが出来ず、必ず食物から取り入れる必要があります。
2-1-1.オメガ3系脂肪酸
▶多く含まれる食材
- α-リノレン酸:亜麻仁油、菜種油、アボカド
- EPA、DHA:サバ、イワシなどの青魚、鮭
特に青魚に含まれる油は体にいいと聞いたことがある方が多いのではないでしょうか。また、アボカドは美容効果があることもよく知られていますね。
α-リノレン酸は血管を拡張させ、血液の流れをスムーズにします。
EPAには中性脂肪を低下させる作用が、DHAには認知機能の改善効果が報告されているなど、脳の健康への関わりが示唆されています。
2-1-2.オメガ6系脂肪酸
▶多く含まれる食材
- リノール酸:大豆油、ヒマワリの種、くるみ(煎り)、アーモンド
- アラキドン酸:卵黄(生)、豚レバー、サバ、ブリ、ウニ など
リノール酸には血中コレステロールを下げる効果があると言われています。
アラキドン酸には認知機能改善効果があると言われています。また、乳幼児の脳の発達に欠かせない脂肪酸で、母乳に多く含まれています。
2-2.一価不飽和脂肪酸
一価不飽和脂肪酸にはオメガ9系脂肪酸があります。
多価不飽和脂肪酸とは違い、油から取り入れる以外に体内でも合成されます。
オメガ9系脂肪酸で代表的なのがオレイン酸です。
▶オレイン酸が多く含まれる食品
オリーブオイル、菜種油、大豆油、アーモンド、牛肉 など
オレイン酸は善玉(HDL)コレステロールは減らさず悪玉(LDL)コレステロールのみを減らす働きがあり、毎日摂ることで冠動脈性心疾患のリスク低減効果があると言われています。
オレイン酸を多く含むオリーブオイルはポリフェノールやビタミンEなどの抗酸化物質も含んでおり、積極的に摂りたい油です。
|| 実は悪玉(LDL)コレステロールも必要な栄養素
悪玉というと全くないほうが良いように思いますが、そういうわけではありません。
コレステロールは肝臓で合成され、ホルモンや細胞の材料になり血液を通して全身に運ばれます。
この運ぶ役割を担っているのがLDLコレステロールです。
これに対して、血液に乗って体内を巡った後に余ったコレステロールを回収してくれるのがHDL(善玉)コレステロールです。
- HDL(善玉)コレステロール:不足すると、余ったコレステロールを回収しきれずに欠陥がドロドロになる
- LDL(悪玉)コレステロール:不足すると、細胞やホルモンの材料が全身に行き渡らず、ホルモンが不足したり、血管壁の細胞が脆くなる
悪いイメージを持たれがちなコレステロール。ですが体を健康に保つのに欠かせないもので、コレステロールも適正量を摂ることが大切なんですよ!
食事への油の取り入れ方
一日の摂取量
一日の摂取カロリーのうち、20~30%を脂質にしましょう。
一日1,800kcalを摂る場合は、40g~60g脂質を摂る計算です。
摂取カロリーの計算などはコチラの記事を参照してください。(カロリー計算の項目に直接飛ぶようになっています)
酸化した油は食べない
体に悪い油が酸化した油。
酸化した油は体内に炎症を起こし、体内の老化を促します。健康にも美容にも良くありません。
- 密閉度の低い容器で保存された油
- 高温調理された油
- ファストフードや外食チェーンなど、油を繰り返し使っているお店の食品
これらの油で調理された食べ物は避けるようにしましょう。
油は高熱調理することで酸化してしまいます。油の管理環境が良くないお店では、揚げ物など油を多量に使ったメニューは食べないのがベターです。
良質な脂質を摂るにはコレ!毎日摂るべき6つの食品
オリーブオイル
オリーブオイルはぜひ毎日の食卓に取り入れたい油です。
ドレッシングの代わりにオリーブオイルを使用すれば、手軽に取り入れることが出来ます。
他の食材からどれだけ油を摂っているかによりますが、サラダであれば小さじ1~2杯を摂取するとよいでしょう。一日の脂質の摂取量の範囲に収まっていれば問題ありません。
オリーブオイルは以下のことに気を付けて摂取しましょう。
- オリーブオイルは160℃を超えると酸化が進む
- 常温で摂取する、もしくは低温調理器を利用したコンフィに使用する
- 購入の際はボトルが密閉され遮光になっているものを選ぶ
- 日の当たらないところで保存する
筆者のオススメはこちらのオリーブオイル。
容器の密閉度が高く参加しづらいだけでなく、ポリフェノールの含有量が多いこともおすすめのポイントです。
魚(サバ、銀鱈、鮭)
スーパーで切り身になっているものでもいいので、週に3回くらいを目安に食卓に取り入れましょう。もちろん、毎日食べられるのであれば毎日食べてOKです。
▶サバ
サバは安価でありながら、良質な脂質と炭水化物の両方を摂ることが出来る素晴らしい食材です。
鯖缶であればストックも可能で使い勝手がいいのも良いところ。
鯖缶を利用する際は味付け加工がされていない水煮缶にし、自分で味付けをするようにしましょう。
▶銀ダラ
銀鱈は一価不飽和脂肪酸のオレイン酸が豊富です。
普通のタラは脂質が少ないですが、銀鱈は脂質が豊富に含まれています。
一方で、タラ自体は、食べ物に含まれる「タンパク質」の量と「必須アミノ酸」がバランス良く含まれているかを数字で表したアミノ酸スコアが100の素晴らしい食品なので、その日の食事内容に応じて選んで食べるのがオススメです。
脂質が少なめのタラは、そのほかの食事で脂質を多めに摂った日のタンパク質源として摂取。
反対に、脂質が少ないなと思った日は、銀ダラにすると良質な脂質とタンパク質を同時に摂取することが出来ます。
▶鮭、サーモン
鮭・サーモンはEPA・DHAを豊富に含む良質な食材です。
タラと同様にアミノ酸スコアも100。ビタミンB群やカリウムもといった栄養も豊富で、スーパーでも手軽に買えるというところもオススメな理由です。
サーモンや銀鮭は比較的脂質が多め。秋に出回る秋鮭は脂質が少なめです。
こちらもタラと同様、その日の脂質摂取量に応じてチョイスしましょう。
アボカド
森のバターと言われるほど、果物の中では珍しく脂質の多いアボカド。
オリーブオイル同様にオレイン酸を多く含んでいます。
他にもカリウム、葉酸、ビタミンEなどが多く含まれていて美容にも効果的です。
サラダとして野菜と一緒に摂ると、脂溶性ビタミンの吸収率も上がるのでオススメです。
ナッツ
ナッツにも良質な脂質が含まれています。
加えてビタミンEやカリウム、ナイアシンなどが豊富です。
主なナッツを見てみると、これらの栄養が含まれています。
- クルミ:ビタミンB2
- アーモンド:ビタミンE、ナイアシン
- ピスタチオ:ビタミンE、カリウム
- ヘーゼルナッツ:ビタミンE
ナッツはコンビニでも買えますし、ネットでも購入できます。購入する際は、無塩の素焼きを選ぶようにしましょう。
手軽につまめるのでおやつにするのもおすすめです。
脂質が豊富な分カロリーも高くなりますが、食べるときは一日に片手にのるくらいの量を目安にすれば大丈夫です。
赤身肉も適度に摂ってOK
肉類に含まれる飽和脂肪酸はあまり不足することが無く、どちらかというと過剰摂取に気を付ける必要がある油ですが、過度に摂取しすぎるのも良くありません。
赤身肉には女性が不足しがちな鉄分が多く含まれています。
適度であれば良いので、たまに食卓に並べてみたり、焼き肉に行くくらいなら全然OKです。
また、お肉を制限しすぎることでタンパク質が不足してしまうこともあります。
日頃「毎日摂りたい油」の食材を食べていれば脂質不足になることはあまりないので、日々のタンパク質補給には鶏むね肉(皮なし)などを活用して、脂質もタンパク質も適量を摂取しましょう。
サプリで摂ってはいけない
EPAやDHAはサプリメントでもよく売られていますね。
手軽に生活に取り入れられるため、飲んでいる方もいるのではないでしょうか。
しかし、残念ながら市販のサプリメントの油は酸化していることがほとんどです。
また、サプリメント自体が摂りすぎると肝臓への負担となります。
確かにサプリで摂るのは手軽で忙しい人にとっては便利なのですが、いいことばかりではないのです。
それならば「食事に魚を取り入れるだけで、同時にタンパク質も摂れる」「普段の油をオリーブオイルに変えるだけで美容にも効果がある」ように様々なメリットがある食材を食事に取り入れるほうがずっといいですよ。
まとめ
いかがでしたか?
油は美容にも健康にも、そしてダイエットにも良い効果をもたらしてくれる大切な栄養だとおわかりいただけたのではないでしょうか。
正しい油の摂り方を実践して、健康的なダイエットやボディメイクを行いましょう!
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